七不思議001
無人の放送室
「スクールオブロック(SOR)学園」は、超名門エリート音楽学校である。学園からは多くの偉大な音楽家が輩出され、SOR学園を志すものは後を経たない。
しかし、その壁の中には、世界を揺るがすほどの秘密があると噂されている。
古来から音楽は人々を熱狂させ、時には儀式にも用いられてきた。
そして宇宙から飛来したという不思議な宝石を用いて作られたという不思議な七楽器がこの世には存在する。
その七楽器の音色は、人々を魅了する強大な力を秘めており、七楽器をすべて集め奏でる者は世界を手にすることができると言われている。
七楽器はSOR学園に集められ、その力で学園はここまで大きくなったというのだ…
噂の真偽は定かではないが、学園には音楽での成功を夢見る者たちが毎年のように数多く入学してくる、 純粋に音楽家を目指す者、大きな野望を抱く者、真相を解き明かそうとする者…不思議な楽器に導かれるように今日も事件が起きる…
xxxx年x月x日
文化祭を前日に控え、SOR学園はいつもと違う熱気に包まれていた。
生徒たちはそれぞれの準備に追われ、校舎は夜遅くまで明かりを灯している。
文化祭の準備で賑やかな教室や廊下に突如、全体放送が流れる。
「 あぁぁ、、うわぁぁ、、ぁ 」
女性の小さな悲鳴のようにも聞こえたその放送に、残っていた生徒や教師は、第三放送室へと急いだ。
しかし、第三放送室は無人。
この状況に皆、恐怖していた。
なぜならこの第三放送室は学園でもっとも古くからある、いわく付きの部屋だからだ。元々学園が広大なため複数の放送室が設置されており、この第三放送室はいわゆる怪談話、非業の死を遂げた生徒の怨念が宿っているというのだ。この噂もあり最近は第一、第二放送室しかほとんど使われていない。
しかし、しばらくして冷静さを取り戻した人々は、生徒たちが多く残っている日にわざわざ起きるなんてイタズラだろうという結論に至った。
それぞれ教室や担当の場所へ戻り、何事もなかったように文化祭の準備を再開した。
「 ざざっ、わ、、しは、、、いる ざざっ ああ 」
先ほど無人だった第三放送室から二度目の急な放送が入る。今度こそタチの悪いいたずらだろうと、皆すぐに作業へ戻った。
直後、第三放送室から悲鳴が響き渡る。
今度は放送ではなくはっきりとした悲鳴だ。
数人が急いで第三放送室へ向う。
駆け付けたのは、文化祭の準備に最後まで残っていた、ドラマー、ベーシスト、ギタリスト、教師。
第三放送室の中には、泣き崩れているキーボーディストと、女生徒Aがなにかで首を絞められて死んでいた。
すぐに警察に通報したが、悪天候と立地により警察の到着が大幅に遅れることに。
さらに校舎は厳重なセキュリティシステムによって夜間施錠されており、外部との連絡も一時的に断たれてしまう。
安全のために残っている皆で集まり、今夜の状況を確認し合う。その結果、残っていた人々の中で疑わしいのはドラマー、ギタリスト、キーボーディスト、教師、ベーシストの5人となった。
警察が来るまでの間になんとか犯人を探し出し、安全のために拘束しようと話し合いが始まった…